FIFAワールドカップ2026で熱気に包まれるバンクーバー。6月24日、BC Placeでカナダ対スイス戦が行われ、カナダは1対2で敗戦。
カナダはグループ首位通過はなりませんでしたが、2位で決勝トーナメント進出が決定。男子代表として史上初めてワールドカップの決勝トーナメントへ駒を進めます。
試合前に街を赤く染めたサポーターの行進、負傷したイスマエル・コネ選手へ送られた「8」のエール、そして試合後に起きた感動の拍手。勝敗だけでは語れない、バンクーバーの一日を102取材班が現地からレポートします。
バンクーバーの街が赤一色に カナダサポーターがBC Placeへ行進
試合開始前から、バンクーバーの街はカナダカラー一色に。サイエンスワールド近くを出発したカナダサポーターの行進には、多くのファンが赤いユニフォームやメープルリーフの旗を掲げて参加。馬に乗ったRCMPも警備にあたり、バンクーバーのケン・シム市長、BC州のデイビッド・イービー州首相も行進に加わりました。
歌やチャントが響く中、赤一色のサポーターたちがBC Placeへ向かう様子は、まるで街全体がカナダ代表を後押ししているよう。試合前から、カナダがひとつになった瞬間でした。

カナダサポーターたち(Photo Vancouver 102)
スイスサポーターも予想以上の存在感 BC Placeに響いたカウベルの音
一方で、102取材班が驚いたのがスイスサポーターの多さです。「こんなにスイスサポーターがバンクーバーにいたのか?」と思うほど、多くのサポーターが赤いシャツやスイス国旗を身にまとい、BC Placeへ。
試合前、スイス領事館のInstagramには「Red shirts ready? Flags packed? Cowbells polished?(赤いシャツは準備OK?旗は持った?カウベルは磨いた?)」という投稿がありましたが、本当にカウベルを持参するサポーターたち。試合中はチリンチリンというカウベルの音がBC Placeに響き、カナダとはまた違った穏やかな応援スタイルが印象的でした。また会場で取材したスイス人の女の子たちは、「この試合のためにスイスから1週間バンクーバーへ来ました」と笑顔で話してくれました。
国歌斉唱で掲げられた背番号「8」 コネ選手へエール
この日、印象的だった場面のひとつが国歌斉唱。前回のカタール戦で負傷したイスマエル・コネ選手へのエールとして、サポーター団体が背番号「8」のカードを3,000枚用意。国歌斉唱の際には、観客席から一斉に「8」が掲げられ、勝利を願うだけではなく、負傷した選手を思う気持ちを会場全体で共有した瞬間でした。

国歌斉唱で掲げられた背番号「8」 コネ選手へエール(Photo Vancouver 102)
カナダはスイスに1-2で敗戦
後半開始40秒でBC Placeに衝撃
後半開始からわずか40秒。スイスが試合を動かしました。しかし、この時間帯はまだハーフタイムから席に戻っていない観客も多く、ゴールの瞬間を見逃した人も少なくありませんでした。「もう試合が始まったの?」「いつ点が入ったの?」スタジアムでは、突然の追加点に驚く観客の姿があちこちで見られました。
カナダは76分、プロミス・デイヴィッドが1点を返して反撃しましたが、追いつくことはできず、1対2で試合終了となりました。

カナダは76分、プロミス・デイヴィッドが1点を返して反撃(Photo Vancouver 102)
グループ首位通過がかかった一戦でしたが、スイスが勝利を収めて首位通過。カナダは2位で決勝トーナメント進出を決めました。
車椅子のコネ選手がBC Placeに登場 会場が歓声と拍手に包まれる
試合後、負傷したイスマエル・コネ選手が車椅子でフィールドに姿を見せると、BC Placeは大きな歓声と拍手に包まれました。観客へ向かって笑顔で手を振るコネ選手。その姿に、多くのサポーターが立ち上がって拍手を送りました。勝敗を超えて、選手を思う気持ちが会場全体を包み込んだ感動的な場面でした。
カナダ代表、史上初の決勝トーナメント進出 次戦はロサンゼルスへ
試合終了後のBC Place周辺は、前回カタール戦とは対照的でした。
6対0で快勝したカタール戦では、試合後もサポーターが歓喜に沸き、お祭りのような雰囲気が続いていました。しかし、この日は敗戦ということもあり、多くの人が静かに会場を後にしていきました。
それでも、カナダ代表は男子代表として史上初めてFIFAワールドカップ決勝トーナメント進出を決定。次戦、ラウンド32は6月28日にロサンゼルスでグループAの2位チームと対戦します。

試合後のスイスチーム(Photo Vancouver 102)
取材後記
この日は、バンクーバー102として4人体制で取材に臨みました。試合結果は1対2でカナダの敗戦。それでも、この一日を「負け試合」と一言で終わらせることはできません。
私たちが目にしたのは、街を真っ赤に染めたカナダサポーターの行進、BC Placeに響いたスイスサポーターのカウベル、負傷したイスマエル・コネ選手へ送られた「8」のカード、そして試合後、車椅子で姿を見せたコネ選手に送られた大きな拍手でした。
試合終了後、前回のカタール戦で見られたような歓喜のお祭り騒ぎはありませんでした。多くのサポーターは静かにBC Placeを後にし、悔しさをにじませながら帰路につきました。それでも、コネ選手がフィールドに姿を見せた瞬間、会場は再びひとつになりました。
FIFAワールドカップ2026は、勝敗だけを競う大会ではありません。国や文化の違う人たちが同じスタジアムで喜びや悔しさを分かち合い、街全体がひとつになる。そんなスポーツの力を、私たちはバンクーバーで目の当たりにしました。
これからもVancouver 102は、スコアだけでは伝わらない「現地だからこそ見える景色」を、バンクーバーから届けていきます。
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