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やり直せたなら——母としての旅を振り返って

「たった一度の人生、今を出来るだけエンジョイしよう」と心に決めているアラカンコラムニストのYUKOです。バンクーバー102の編集部の皆さんから「人生の先輩としてぜひコラムを書いてほしい」とお声掛けいただき、担当することになったこのコラム!8回目となる今回は、「やり直せたら-母としての旅を振り返って」です。


母としての幸せと、後悔

私は現在、37歳の長女、35歳の長男、そして30歳の次女、3人の子どもたちの母です。ありがたいことにみんなパートナーと幸せに暮らしていて、しかもみんな近くに住んでいるので、毎月のようにごはんを一緒に食べたり、誕生日を祝ったりできるのが何よりの喜びかな。でも、ふと子育てを振り返ると、思い出すのは数々の反省ばかり。「もう一度やり直せたら…」と、ため息をつくことも多いの。

最初の子にかけた責任感と厳しさ:歯みがき戦争と完璧な離乳食

長女を授かった時、「ちゃんとした人間に育てなければ」との思いが強く、育児に対してとても厳しかったと思う。

泣き叫ぶ赤ちゃんを夫が押さえ、私が必死に歯を磨いた毎日。虫歯を作らせまいと頑張ったんだけど2番目の時は寝かせた瞬間に隠しておいたおもちゃを渡して彼がそれに気を取られている間にささっと磨くことができ、ああ、長女の時は可哀想だったなあと反省してるの。

離乳食も、育児書どおりの完全手作り。長女には丁寧にお粥を煮て与えていたけど長男になると少し手抜きになり、次女に至っては1歳前にピザのクラストをかじらせていたような記憶も…。こんなんで良かったの?

不公平なルールと子どもの視点:おこづかい格差と厳しいしつけ

ある日、長女からこんなことを言われました。

「私のときは、1週間いい子にしていないと25セントのおこづかいがもらえなかったのに、妹は1ドルだったよね。お母さん、私にはいつも厳しかった。」
ドキッ!確かに2人には7年の歳の差があり、物価も収入も変わっていたとはいえ、子どもの目には「ひいき」として映っていたから…

学びとごほうびのバランス:勉強タイムと「おやつ戦術」

子どもたちには学校の勉強も日本語もきちんと教えたいと思っていたの。

放課後はおやつを食べながらキッチンテーブルで勉強するのが日課。その中でも一番うまくいったのは、「おやつと絵本」の作戦。

「チョコチップクッキー焼けたよ〜、本を読んであげる〜」と声をかけると、テレビやゲームに夢中だった子どもたちがわらわらと集まってくる。
その流れで自然と宿題や日本語の勉強にも取り組んでくれたのは、ちょっとした成功体験だったかな。

育て方に迷い、揺れた心:「優しさ」と「甘やかし」の狭間で

長女は優秀で真面目で自分にも他人にも厳しい性格。兄弟喧嘩が絶えない日々の中で、私はふと「3番目はもっと優しく育ててみようかな」と思いました。だから悪いことじゃなければ、なるべく自由にさせてみたの。

でも日本に帰省した際、母にこう言われました。
「あなた、上の子たちにはダメってばかり言ってたのに、3番目にはすぐ “いいよ”って言うのね。」

さらに、その次女にADDの兆候が見え始めた頃、母からは「あなたが甘やかしたからあの子がこうなったんじゃない?」と…あれは本当に心に突き刺さる一言だったなあ。それでも、愛を伝えられたこと、次女の今と母国語で話せる喜び。現在、次女はDVに苦しむ女性たちを支援するNPOで働き、誰よりも優しく、周りに気配りのできる大人に育ってくれたの。私の育て方が正しかったとは思わないけれど、彼女の今を見て、とても誇りに思っている私。

日本語教育にも必死だったの。3人にピアノと日本語を小学校から高校卒業まで習わせ、みんな他のスポーツもやっていたから私は毎日忙しく、怒鳴り、燃え尽きた。でも、その甲斐あって3人ともバイリンガルに育ち、今でも私と日本語で話してくれるのね。携帯のメッセージも、あえて日本語で送ってくれるの。私が喜ぶのを知っていて…。ホストファミリーをしてたから8人の大家族。毎日大所帯の食事作って、他の家事もやってパートタイムのお仕事3つ掛け持ちして、子供達の面倒みて…

母の日にもらった花や木々が、年々増えていく。思い出がぎゅっとつまった庭♩

もう二度とあんなに毎日頑張れないよ。やり直しができないからこそ今の私なら、もっと優しくなれたかもしれない。しつけ、道徳、教育…すべてにおいて厳しかった私。でも今の私なら、もっと理解のある母親になれたんじゃないかな。悲しいことに、子育てはやり直しがきかない。だからこそ、時々考えるの。「私、おばあちゃんになったらきっと良いおばあちゃんになれるよね?」って。でも本当は、甘やかし放題のばあばになってしまいそうな気もする。(笑)

子供3人を育てた日々に感謝を込めて。毎日が戦いで、泣いたり笑ったりしながら3人の子どもたちを育ててきた私。後悔もたくさんあるけれど、それでも家族で集まるたびに「幸せだな」と心から思います。そして今ではもう私は子供達に助けてもらったり教えてもらうことばかり…

私の子育てに正解はなかったかもしれない。
でも、あの時の精一杯の愛情は、今もちゃんと届いていると信じたいな。


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