桜とともに春を迎えるバンクーバー。咲き誇る桜の花のもとで、今年もバンクーバー・チェリーブロッサム・フェスティバル(VCBF)が行われます。3月26日〜4月28日の期間中、お花見、ジャパンフェア、ガイドツアーなど、イベント盛りだくさんで、迷ってしまうほど!そこで、VCBFのエグゼクティブ・ディレクター、アンドレア・アーノットさんに、見どころをお聞きしました。
春を祝う、桜のパーティー!
チェリーブロッサム・フェスティバルの魅力について、「みんなが桜を楽しめるよう、多彩なプログラムを提供しています」と話すアンドレアさん。屋外の大型パーティーから少人数のウォークツアーまで、さまざまなスタイルのイベントがラインナップしています。
なかでも注目は、日本文化をフィーチャーした「Sakura Days Japan Fair」(4月12日、13日)。例年、バンデューセン植物園で開催されているこのイベント、今年も茶道体験、太鼓などのパフォーマンス、お祭りフード屋台、さらには日本酒の試飲まで、大人も子どもも楽しめること請け合いです。アンドレアさんによると、昨年は、2日間で1万5,000人もの来場があったそう! 現在、チケット販売中です。

和の文化に触れる「Sakura Days」(Photo by Al Lau)
2025年、初お目見えは「Blossom Block Party」(4月5日)。桜とダンスを楽しむブロックパーティーで、ダウンタウンのバラード駅近くの広場で行われます。 DJによるダンスミュージック、ポップアップ・バーやスナック、子ども向けアクティビティなど。ほかにもダウンタウンのイベントとしては、「Yaletown Pop-Up」(3月26日)「West End Pop-Up」(4月6日)が。いずれも入場無料のアウトドアイベントなので、ショッピングの途中や仕事帰りに、気軽に立ち寄れそうです。
イェールタウンのDavid Lam Parkでは、大人気のお花見イベント「The Big Picnic」(3月29日)を開催。参加者増加につき、今年はスペースを拡張して開催されますよ! 広々としたスペースで、ライブミュージックに耳を傾けながら100本の桜を楽しめるのは、バンクーバーならでは。
また、注目したいのが新進の若手アーティストによるアクティビティです。選ばれた10人のアーティストが、ブースでアクティビティを行います。VCBFは彼らにアーティストフィーや材料費を支払うほか、企画や予算の立て方などを学べるようサポートしているんですよ」とアンドレアさん。内容は、レジン・フラワーやガラスモザイク、中国結びなど、バラエティ豊か。ぜひトライしたいですね。
同じくDavid Lam Parkで行われる夜桜イベント「Blossoms After Dark」(3月28日~30日)も外せません!ライトアップされた桜にライブミュージック、ダンスパフォーマンス、そして光るコットンキャンディ…。昼間とは全く違う、幻想的な夜の桜を楽しめますよ。もちろんフォトスポットも充実しています。

幻想的な夜桜「Blossoms After Dark」(Photo by Lung-Liu)
桜を知る、桜を表す
アンドレアさんによると、バンクーバーには約4万3000本の桜があるそう。1925年に横浜市と神戸市の市長が、スタンレーパークの日系カナダ人戦没者慰霊碑に500本の桜を寄贈したのが始まりです。その後、街路樹などに積極的に採用された結果、街のあちこちで桜並木を見かけるように。
VCBFでは、そんなバンクーバーの桜について知るガイドツアー「Tree Talks and Walks」を開催。毎年、桜の開花に合わせて、さまざまなロケーションで行われています。また、自転車で桜の名所を巡るツアー「Bike the Blossoms」も。今年の開催日時、場所についてはウェブサイトをチェック!
さらにVCBFのウェブサイトでは、「Blossom Maps」にてバンクーバーやその周辺地区の桜の開花情報を掲載しています。開花予想日も載っているので、ご近所でのお花見に役立てたいですね。
もうひとつ、VCBFに欠かせないのが英語俳句のイベントです。世界中から応募があるコンテスト「Haiku Invitational」や、受賞作品をビジュアルアートに変身させる「Haiku Exhibition」など。日本の俳句とは一味違う英語俳句、一度、チャレンジしてみては!

俳句から作られたビジュアルアート(Photo by Lung Liu)
人と人とをつなぐ桜
大規模なフェスティバルを支えるのは、大勢のボランティアの存在です。「パーキングのスタッフからセッティングまであらゆる仕事がありますよ」とアンドレアさん。応募はウェブサイトから可能です。
最後にアンドレアさんに、ご自身の「VCBFの思い出」についても尋ねてみました。
「『The Big Picnic』会場に、『カンバセーション・ベンチ』と名付けた大きなピンクのベンチと、会話のきっかけになる質問カードを置いたんです。そこで、休憩にベンチに座った見知らぬ二人が、カードを見ながら会話を始め、一時間も話し続け、最後は友だちになった。小さな出来事ですが、私にとってはスペシャルな思い出ですね。そんな小さなつながりが積み重なり、コミュニティになっていく。それが、VCBFの存在意義だと思うんです」。
新しい季節、思い出、感動、創造、そして人とのつながり。美しい桜のもとで、あなたにとってスペシャルなものを、見つけに行きませんか?

ピンクのカンバセーション・ベンチに座るアンドレア・アーノットさん(Photo by Isanna Wong)
Vancouver Cherry Blossom Festival
日時:3月26日(水)〜4月28日(月)
会場:バンクーバー市内各所
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