7月1日のカナダデーは、カナダの建国を祝う特別な日です。1867年7月1日にカナダ連邦が誕生し、オンタリオ州、ケベック州、ノバスコシア植民地、ニューブランズウィック植民地が一つの自治領として統合されました。この日を記念して、カナダ全土で祝われるようになりました。
首都オタワでの祝い方
カナダの首都オタワでは、カナダデーを盛大に祝います。国会議事堂前では記念式典が行われ、多くの人々が赤と白のカナダ国旗を象徴する衣装を身にまとって集まります。カナダ総督や首相が家族と共に馬車に乗って登場するのが見所で、ジャスティン・トルドー首相一家にも高確率で会えます。
また、パレード、野外コンサート、航空ショー、花火など、一日中さまざまなイベントが行われます。カナダ国内外から多くの観光客が訪れ、オタワは祝祭ムードに包まれます。
カナダデーの多様な過ごし方
カナダでは、それぞれのスタイルでカナダデーを楽しみます。各州の街でイベントが催されているので、イベントに参加する家庭もあれば、自宅で家族や友人とバーベキューを楽しみながら、上空を飛ぶカナダ空軍の飛行部隊「スノーバード」の航空ショーを眺める人もいます。炎天下の人混みを避け、庭でのんびり過ごすのも一つの楽しみ方です。
ケベック州の特異な伝統
一方、ケベック州ではカナダデーが「引越しの日」として知られています。もともとフランスの植民地だったケベック州では、17~18世紀のフランスの法に基づき、5月1日が*「リース更新の日」とされていました(*アパート賃貸リース)。しかし、5月1日に引越しをすると子供の学校問題が発生するため、1973年にこの法は廃止され、リースの更新日は7月1日になりました。これにより、ケベック州では毎年7月1日に多くの引越しが行われるようになりました。
そうなると、ケベック州のフランス系カナダ人は、建国記念日をどうするのか?と思いますが、それが6月24日の「ケベックの日(聖ヨハネの日)」となります。この日は、ケベックの歴史と文化を祝う日で、街中がケベック州旗で飾られ、盛大なパレードやイベントが行われます。住民は「Bon Saint-Jean!(ボン サン・ジャン)」と挨拶を交わし、フランス系カナダ人としての誇りを感じる日です。
そして、このお祝いの1週間後にカナダの建国記念日を祝うのは、少々複雑な気持ちになることも理解できます。カナダの建国記念日の背後には、フランスの植民地であったケベック州が、イギリスとの戦争に負け、イギリスの植民地になり、その結果、カナダ連邦が成立した歴史があります。多くのフランス系カナダ人にとっては、カナダデーが必ずしも喜ばしい日ではないのかもしれません。この日が「引越しの日」として伝統を受け継ぐ理由には、フランス系カナダ人のプライドが関係しているのかもしれません。
カナダの多様性と歴史
カナダデーは、カナダの誕生を祝うだけでなく、多様な文化と歴史を再認識する日でもあります。皆さんも、この特別な日を楽しみ、カナダの豊かな歴史と文化に触れてみてください。
参照記事
第42回 7月1日は「建国記念日」じゃなくて「引越しの日」?(バンクーバー新報)
第34回 盛り上がるカナダの建国記念日(バンクーバー新報)
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